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日本画 川瀬巴水
大正と昭和を代表する浮世絵師・版画家、日本画家・川瀬巴水。近代風景版画の第一人者であり、日本全国を旅行しながら写生を続けます。版画作品はそのラフを元に原画としており、数多く発表していて、日本の美しい風景を叙情豊かに表現した作風を特徴です。特に衰退していた浮世絵版画を復興すべく洋画家・版画家の吉田博らとともに新しい浮世絵版画を確立した彼のエピソードです。彼は10代の頃から画家を志し14歳の時、川端玉章門下の青柳墨川と荒木寛友に日本画を学び、25歳で父親の家業を継ぎます。しかし、彼は夢を諦めきれず、27歳で日本画家、鏑木清方に弟子入りをしようとしたが20代半ばを過ぎていて今からでは遅いということで洋画家を進められた。その為、洋画家の集まりとして知られた白馬会葵橋洋画研究所に入り岡田三郎助から洋画を学んだがそこでも挫折をし一度は入門を断られた清方に再度弟子入りを申し出て2年の修業を経て1910年にやっと日本画家となったまさに遅咲きの画家なのです。しかし、1918年清方が得意としていた美人画に行き詰まりを感じ始め、今度は伊東深水の版画に影響を受けて版画家に転向したが当時浮世絵版画は衰退の危機に陥っていた。そこで彼は雪などといった詩情的な風景版画を制作していて始めは伊東深水の影響が強かったが次第に他の風景版画家の絵を研究していき技法的な工夫をしていったり全国各地に取材に行ったり織田一磨による石版画の風景画に対抗するかのように木版風景画でよく知られた存在になったまさに努力の積み重ねでできてることをうかがわせます。彼の作品は美しい日本の風景を叙情豊かに表現しており、中でも「旅情詩人」「旅の版画家」「昭和の広重」などと呼ばれるようになり、アメリカの鑑定家、ロバート・ミューラーの紹介から欧米でも広く知られる存在になり、日本より海外での評価の方が高く、浮世絵師の葛飾北斎・歌川広重等と並び称される程人気がある画家なのです。これらの作品の中で風景画に雨を降らせているのがあるが、この雨の大半はバレンを使って描いています。彼は同じ色を何度も重ねることによる深みや、色鉛筆で描いたような線など新しい表現方法を開拓していって努力を重ねていきながらもカリスマ性あふれる画家であることがわかります。
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